THE FIRST CHAPTER
タロットの予備知識札の扉をひらく
タロットは、78枚の札を一枚ずつめくりながら、いまの自分の氣持ちや状況を見つめ直すための道具です。このページでは、札の成り立ちや並び方、正位置と逆位置、問いの立て方など、引く前に知っておくと読むのが楽しくなる土台をご紹介します。
序PROLOGUEはじめに タロットは、いまを映す鏡
札は、答えではなく灯り
こんにちは、ことはです。月夜の図書館で、タロットの札をひらいています。
タロットを引くと、多くの方がまず「当たっているかどうか」を確かめようとされます。それは自然なことです。けれど、ことはがいちばん大切にしているのは、札をめくった瞬間に「あ、いまの私はこう感じていたんだ」と氣づく、その小さな手応えのほうです。
算命学が「生まれ持った型と、時の流れ」を読むものだとしたら、タロットは「いま、この瞬間の切り取り」です。同じ問いでも、明日引けば別の札が出るかもしれません。それは札が気まぐれなのではなく、あなたの「いま」が毎日少しずつ動いているからです。
札は、暗い夜道を照らす小さな灯りのようなものです。行き先を決めるのは、灯りではなく、歩くあなた自身。そう思って読んでいただけると、タロットはずっと心強い相棒になってくれます。
ここから先は、むずかしい言葉はできるだけ使わずに、札とつきあうための土台を十のお話にまとめました。氣になるところから、ゆっくりひらいてみてください。
01ARTICLE 01タロットは78枚 ─ 大アルカナと小アルカナ
タロットの札は、全部で78枚。大きくふたつのまとまりに分かれています。
大アルカナ 22枚
0番の「愚者」から21番の「世界」まで、番号と名前のついた22枚です。「恋人」「塔」「星」など、人生の大きなテーマや、心の深いところで起きている変化を表します。一枚引いて大アルカナが出たときは、いまの出来事が、あなたにとって少し大きな意味を持っていると受け取ってみてください。
小アルカナ 56枚
ワンド・カップ・ソード・ペンタクルの4つの組(スート)が、それぞれ14枚ずつ。エース(1)から10までの数札40枚と、ペイジ・ナイト・クイーン・キングの人物札16枚でできています。毎日の暮らしの中の、具体的な場面や氣持ちの動きを映すのが小アルカナです。
「アルカナ」ってどういう意味?
ラテン語で「秘密」「奥義」という意味です。もとのタロットにはこの呼び名はなく、19世紀のフランスで、タロットを神秘の書として読もうとした人たちが使い始めた言葉だと言われています。
02ARTICLE 02タロットの歩いてきた道 ─ ゲームの札から、心を映す札へ
タロットは、最初から占いの道具だったわけではありません。
はじまりは、イタリアのカードゲーム
15世紀の北イタリアで、「トリオンフィ(凱旋)」と呼ばれる切り札つきのカードゲームが貴族のあいだで遊ばれていました。ミラノの公爵家のために金箔を使って手描きされたヴィスコンティ・スフォルツァ版は、いまに残る最も古いタロットのひとつです。当時の数札には絵がなく、杯や剣の印が並んでいるだけでした。
カード遊びと、サンドイッチ
カードゲームは、昔からそれほど人を夢中にさせるものでした。18世紀のイギリスでは、サンドイッチ伯爵がカード遊びに夢中になるあまり食事の時間も惜しんで、パンに肉や野菜をはさんで片手で食べていたことから「サンドイッチ」という名前が生まれた、という説があります。
伯爵が遊んでいたのがタロットだったかどうかまでは分かっていませんし、お話そのものにも諸説あります。けれど、札をめくる楽しさに時間を忘れてしまう氣持ちは、何百年たっても変わらないのかもしれません。なおの講座でも、いつも笑いが起きるお話です。
占いの札になったのは、300年あと
18世紀のフランスで、「タロットは古代エジプトの叡智の書だ」という説が唱えられ(歴史的な裏づけはありません)、タロットは神秘の道具として見られるようになりました。同じころ、占い専用のデッキも作られ、逆位置の意味もこのころから体系的に語られ始めます。
いま、いちばん広く使われている絵
1909年にイギリスで生まれたウェイト=スミス版は、画家パメラ・コールマン・スミスが、数札40枚すべてに物語の場面を描いたデッキです。絵を見ればなんとなく意味が伝わるこの作りのおかげで、タロットは「覚えるもの」から「感じて読むもの」になりました。ことはの札も、この構図を土台に描かれています。
03ARTICLE 03大アルカナは「愚者の旅」
22枚の大アルカナを、ひとつの物語として読む見方があります。
0番の「愚者」は、まっさらな氣持ちで旅に出る人です。旅の途中で、知恵を授ける人(魔術師・女司祭)、守り育てる人(女帝・皇帝)、教えを伝える人(法王)に出会い、やがて自分の選択(恋人)と意志(戦車)を手にします。
中盤では、内なる強さ(力)を知り、ひとりで灯りを掲げ(隠者)、大きな流れ(運命の輪)や、物事の釣り合い(正義)に向き合います。立ち止まる時間(吊るされた男)、ひとつの章の終わり(死神)、ほどよく混ぜ合わせること(節制)。
そして、手放せない執着(悪魔)、思いがけない崩れ(塔)を通り抜けた先に、希望(星)、ゆらぐ心(月)、まっすぐな喜び(太陽)、目覚め(審判)があり、最後に「世界」でひとつの旅が完成します。
読むときのヒント
大アルカナが出たら、「いま私は、この旅のどのあたりにいるのだろう」と考えてみてください。「死神」や「塔」も、旅の途中に必ずある曲がり角のひとつです。怖い札ではなく、次の場所へ進むための節目として置かれています。
※「愚者の旅」は20世紀後半に広まった現代の読み方です。古い時代の占いやゲームにはなかった見方ですが、初めての方が大アルカナの流れをつかむには、とても役に立ちます。
04ARTICLE 044つのスート ─ 火・水・風・土
小アルカナの4つの組には、それぞれ得意な分野があります。
ワンド(杖)=火
情熱、やる氣、はじめる力、行動。「やってみたい」が動くときの札です。仕事や挑戦の場面によく出ます。
カップ(杯)=水
氣持ち、愛情、つながり、感受性。恋愛や人とのあいだの温度を映します。心が満ちたり、こぼれたりする場面です。
ソード(剣)=風
考え、言葉、判断、葛藤。頭の中で起きていることを映します。痛みを伴う札も多いのですが、それは「はっきりさせる」力の裏返しでもあります。
ペンタクル(金貨)=土
暮らし、からだ、お金、時間、積み重ね。目に見える形になっていくものを映します。ゆっくりでも確かな歩みの札です。
数字も手がかりに
エース(1)は始まりの種、5はゆらぎ、10はひとつの完成。同じ数字は、スートが違っても似た段階を表します。「スートの性格」×「数字の段階」で考えると、初めて見る札でも、意味の輪郭が見えてきます。
05ARTICLE 05人物札 ─ ペイジ・ナイト・クイーン・キング
16枚の人物札は、「誰か」を指すこともあれば、「あなたの一面」を指すこともあります。
ふわり鑑定所では、なおのタロット講座にならって、4つの位をそれぞれの「役」として読んでいます。
- ペイジ=はじめる人:まだ慣れていないけれど、まっすぐに興味を向ける段階。
- ナイト=向かう人:目的に向かって動き出している段階。勢いも、急ぎすぎも、どちらも含みます。
- クイーン=たもつ人:受けとめ、育て、場を整える段階。
- キング=決める人:経験をもとに判断し、責任を引き受ける段階。
性別や年齢で決めない
クイーンだから女性、キングだから年上の男性、とは読みません。人物札が出たら、「お相手の姿」「あなた自身の一面」「起きている出来事」のどれに当てはまるかを考えてみてください。たとえば「カップのナイト」なら、氣持ちを差し出しに来る人かもしれないし、あなたの中の「伝えたい」という氣持ちかもしれません。
06ARTICLE 06正位置と逆位置
札が逆さに出ることを「逆位置」といいます。逆位置は、悪い意味ではありません。
逆位置は「力の出方が違う」
逆位置で出た札は、その札の力が出すぎているか、足りていないか、まだ育ちきっていないか、出るのが遅れている状態として読みます。正反対の意味になるわけではなく、同じテーマが少し違う形で現れている、と考えてみてください。
たとえば「太陽」の正位置がまっすぐな喜びなら、逆位置は「喜びはあるのに、雲がかかって素直に味わえない」状態。光が消えたわけではありません。
初めのうちは、正位置だけでも
タロットに慣れるまでは、逆さに出ても正位置として読むやり方で十分です。ことはのタロットでも、逆位置を使うかどうかを選べるようにしています。78枚の正位置になじんでから、逆位置を足していくと、読みが自然に深まります。
07ARTICLE 07問いの立て方 ─ 主語を「わたし」に戻す
タロットは、問いの立て方で読みやすさが大きく変わります。
答えが相手の中にある問い
「あの人は私をどう思っている?」「彼は戻ってくる?」。とても自然な問いですが、答えはお相手の中にあって、確かめようがありません。札がどれだけ正直でも、読みがぼやけてしまいます。
「わたし」が確かめられる問いに
- 「あの人は私を好き?」→「この関係で、いま私が確かめられることは?」
- 「この恋はうまくいく?」→「この恋で、今日の私が大切にしたいことは?」
- 「転職すべき?」→「いまの仕事で、私が手放したくないものは?」
主語を自分に戻すと、札はぐっと答えやすくなります。そして、夜にその問いを振り返ったとき、答え合わせができるようになります。
Yes/Noより「向き」
「はい・いいえ」で聞くより、「動く・待つ・自分に戻る」のどれに向いているかを聞くほうが、札の言葉を生かせます。
08ARTICLE 08一枚引きから始める
タロットの練習は、毎日一枚から。それだけで、札はぐんと身近になります。
朝の一枚
朝、「今日、大切にしたいことは?」と心の中で問いかけて、一枚だけ引きます。絵をよく眺めて、最初に目にとまったもの(人物の表情、空の色、足元の小物)をひとつ覚えておきます。
夜の答え合わせ
夜、今日あった出来事と朝の札を並べて、ひとことだけ書きます。「ソードの4=昼休みに本当に休めた」くらいで十分です。当たった・外れたではなく、札と一日がどこで重なったかを探すのがコツです。
同じ問いは、一日に一度
納得できない札が出ると、もう一度引きたくなります。でも、同じ問いを何度も引くと、答えがぼやけていきます。今日の一枚は今日の一枚として受け取って、続きは明日に。
月夜のこよみでは、毎日の一枚とひとことが月のカレンダーに残っていきます。一か月並べてみると、自分がどんな札をよく引くのか、どんな季節に心が揺れやすいのかが見えてきます。
09ARTICLE 09タロットとの、ほどよい距離
タロットは、自分で選ぶ力を育てるための道具です。
タロットで答えを出さないこと
病氣や体のこと、妊娠や出産、試験の合否、お金の売り買い、法律の判断。こうしたことは、札で決めずに、専門の方に相談してください。タロットは、そうした決断の前に、自分の氣持ちを整理するためにそっと使うものです。
不安なときほど、ひと呼吸
心が不安でいっぱいのときに引くと、どの札も怖く見えてしまいます。そんな夜は、引く前にお茶を一杯。それでも落ち着かないときは、無理に引かずに休んでください。札は逃げません。
札は、あなたを縛らない
「この札が出たから、もう終わり」ということはありません。札が映すのは、このままの流れです。流れは、あなたが今日ひとつ何かを選ぶことで、少しずつ変わっていきます。
10ARTICLE 10算命学とタロットを重ねる
ふわり鑑定所が、算命学とタロットをひとつのこよみにした理由。
変わらない型と、いまの一枚
算命学は、生年月日から、生まれ持った「型」(樹木の人、太陽の人、海の人……)と、今年・今月・今日の氣の流れを読みます。何年たっても変わらない、あなたの土台です。
タロットは、いまこの瞬間の切り取り。今日引いた一枚は、今日のあなたの状態を映します。
同じ札でも、型が違えば受け取り方が変わる
たとえば同じ「ソードの5」でも、まっすぐ伸びる樹木の人は「勝ち負けのあとに残るざらつき」を敏感に感じとり、熱くなりやすい太陽の人は「場の温もりが冷えたこと」のほうが心に残りやすい。土台を知っていると、一枚の札の読みが、ぐっと自分ごとになります。
天中殺の時期の札
算命学でいう天中殺は、不吉な時期ではなく、型からいったん外れる時期です。この時期に出た札は、結論を急ぐより、見えてきたものを覚えておく札として読むと、あとで振り返ったときに大切な手がかりになります。
月夜のこよみは、この「型と時の流れ」の上で、毎日一枚の札を読むこよみです。自分の型は、無料のかんたん命式でも見られます。